★阿修羅♪ > 経世済民99 > 798.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
鉄の5倍強度の次世代素材を開発へ:セルロースナノファイバーの実用化を環境省が後援
http://www.asyura2.com/15/hasan99/msg/798.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 8 月 20 日 01:14:24: Mo7ApAlflbQ6s
 


鉄の5倍強度の次世代素材を開発へ[NHK]
8月20日 0時10分

地球温暖化対策に向けて、環境省は植物から製造され、鉄の5倍の強度を持つとされる「セルロースナノファイバー」と呼ばれる次世代の素材を開発する実証事業を来年度から始める方針を固めました。

環境省が実証事業に乗り出すのは「セルロースナノファイバー」と呼ばれる次世代の素材です。

この素材は木材や稲わらなどから特殊な技術で繊維を取り出したもので、樹脂と混ぜて固めると植物の細かい繊維が複雑に絡み合っているため、鉄の5倍の強度を持ちながら重さが鉄の5分の1程度と軽いのが特長です。

環境省は、この素材を自動車の部品や住宅の建材などでの利用を検討しています。製造に伴って温室効果ガスを排出する鉄などの金属を使わないことと、軽量化による燃費の改善が図られることなどで環境省は地球温暖化対策につながると期待しています。また、研究が進めば、間伐材や廃材のほか焼酎やジュースの搾りかすなど、植物由来の廃棄物を再利用できる可能性もあるということです。

環境省は来年度予算案の概算要求に38億円を盛り込み、来年度以降、自動車メーカーなどと協力して製品の開発や燃費改善の検証を進めることにしています。

環境省は「この素材は温暖化対策だけでなく国内木材や廃棄物の活用など、さまざまな波及効果が期待できる。企業や関係省庁と連携しながら研究開発を進めていきたい」としています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150820/k10010195741000.html

================================================================================================================
植物から新素材量産へ 炭素繊維に近い強度と軽さ
日本製紙が国内初 車部品や消臭紙おむつに

 製紙各社が植物由来の軽量素材であるセルロースナノファイバー(CNF)を量産する。日本製紙が2016年度に日本初の量産ラインを稼働させる。中越パルプ工業も生産能力を10倍に引き上げる。軽くて強いCNFは自動車部品の軽量化など様々な用途に使え、30年に1兆円規模の市場に育つとの期待もある。量産効果でコストが下がれば、普及に弾みがつきそうだ。

 植物繊維を細かくしたCNFは炭素繊維に近い強度と軽さを兼ね備える。樹脂と混ぜ合わせて自動車部品に使えば1台あたり約20キログラムの軽量化につながる。粒子を吸着しやすい性質を生かし、ちりを吸着するフィルターにも活用できる。
 日本製紙はCNFを使い、まず消臭機能を高めた紙おむつを今年10月に発売する。CNFを使った最終製品を実用化するのは世界でも初めてという。16年度に量産ラインを設け、生産量を現在の10倍となる年産300トン以上に引き上げる。

 同社は東京大学からライセンス供与を受け、13年11月に岩国工場(山口県)に年産30トンの実証実験用製造設備を設置。量産に向けたノウハウを蓄積してきた。今後、化粧品の原材料などの商品化を狙う。

 九州大学と共同研究を進めてきた中越パルプも17年度に量産を始める。実証試験用の製造設備がある高岡工場(富山県)など国内に生産ラインを設ける。現在の生産能力は年間数十トン以下だが、10倍に高める。量産で生産コストを下げ、自動車部品向けに売り込む。

 大王製紙も愛媛大学と共同で包装材料への応用を研究している。CNFをシート状に加工すると酸素をほとんど通さず、食品の鮮度が落ちるのを抑えられる。5年以内に食品用の包装材などとして製品化を目指す。

 CNFの国内生産能力は現在、年間60〜70トン程度とみられ、1キログラムあたりの製造コストは5千〜1万円程度で高止まりしている。自動車などに使う炭素繊維は1キログラムあたり3千円程度。製紙各社は量産効果で炭素繊維より価格を引き下げ、20年をめどに普及の目安とされる1キログラムあたり1千円への引き下げを目指す。


セルロースナノファイバー(CNF)とは

 ▼セルロースナノファイバー(CNF) 植物の繊維をナノレベルまで細かく解きほぐして作る。木材由来のパルプを水に溶かし、高速でぶつけたり、化学反応を起こしたりすることで製造する。幅は最小3〜4ナノ(ナノは10億分の1)メートル。木や草などセルロースを含む資源は豊富に存在する。資源の少ない日本で原料を輸入に頼らずに生産できる新素材として注目されている。

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------
産学連携 30年に1兆円市場

 セルロースナノファイバー(CNF)は自動車部品や食品の鮮度を保つ包装材、液晶ディスプレーなど様々な用途に利用できる。経済産業省は2030年に1兆円規模の市場に育てる目標を掲げ、産学連携の動きなどを後押ししている。別の試算では自動車部品関連だけで3000億円以上になるとの見方もある。

 自動車の樹脂部品などに混ぜる素材としては現在、炭素繊維が利用されている。だが石油を原材料とする炭素繊維は将来、資源が不足するリスクがあり、価格変動も大きい。CNFは国内に豊富にある木材が原材料であるため量産が進めば割安に大量調達しやすい。

 CNFの基礎研究は日本勢が先行してきた。昨年6月には産業技術総合研究所のほか、100以上の企業や団体、研究者がコンソーシアムを設立し、連携を深めている。

[日経新聞8月14日朝刊P.11]

================================================================================================================
自動車25%軽く ポスト炭素繊維始動、原料は木材[日経新聞]
2014/12/10 7:00

 「世の中に役立つ技術を開発したかった」。12月10日に開かれるノーベル賞授与式に臨む米カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の中村修二氏の言葉だ。こうした開発者らの手でテクノロジーは日々進化し、青色発光ダイオード(LED)照明のような新製品が世に出てきた。戦後復興の一助を担ってきた日本の技術・サービス力は再び輝きを取り戻せるか。再興の姿を追う。

■髪の毛の2万分の1の繊維

セルロースナノファイバーを製造する日本製紙の岩国工場(山口県岩国市)

 炭素繊維より製造コストが6分の1で済む──。航空機や高級車の主要材料として注目を浴びる炭素繊維。これに代わる可能性を秘めた「ポスト炭素繊維」の研究・開発がひそかに始まっている。
 新たな素材とは木材繊維。名称は「セルロースナノファイバー(CNF)」だ。全容を探ろうと開発に取り組むメーカー各社に取材を申し込んだが、多くの広報担当者は一様に口を閉ざした。
 「CNFの原料は木ですが、鉄よりも強く軽いんです」。日本製紙の河崎雅行CNF事業推進室長はこう説明する。木で鉄より強い素材を作るなんて本当にできるのか。

 「これを見てください。単なる液体のように見えますが。これがCNFなんですよ」。河崎さんが持つビーカー。中にはどろどろととろみがある液体が入っている。とても鉄より強い素材には見えない。
 日本全国どこにでもある樹木。これを砕いて1000分の1の大きさの木材チップにする。このチップをパルプにしてさらに1000分の1の大きさの木材繊維にする。ここまでは通常の紙を作る方法となんら変わらないという。
 この木材繊維、拡大して見ると無数のナノ単位(ナノは10億分の1)のファイバーが束になっている。この束のナノファイバーを「TEMPO」触媒と呼ぶ特殊な触媒に通すことでほぐし、1本にしていく。幅は約3〜4ナノメートル、つまり髪の毛の2万分の1の太さだ。

 見た目では強度が強いようには感じられないが、ファイバーの1本1本はとても丈夫だ。これを集めることで鉄以上の強さを発揮できるという。「木が数メートル伸びても立ち続けることができるのはこのファイバーが支えているおかげ」と河崎室長は話す。炭素繊維と同等の鋼鉄の5倍の強度を出せるとも言われている。実現のポイントは1本1本のファイバーがどうやってくっつき合うかということと、どんな材料と混ぜ合わせるかにある。

 さらに折り曲げることもでき、かつ重さも鋼鉄の5分の1。まさに夢の新素材だ。日本製紙はすでに樹脂・化学メーカーとの共同開発を着々と進めている。

■コストは炭素繊維の6分の1

 炭素繊維はそもそも東レが世界に先駆けて1971年に量産に成功した日本発の素材だ。東レは米ボーイングから航空機向け炭素繊維複合材を1兆円分受注するなど、鉄やアルミニウムに代わる素材として航空機やロケット、医療機器など一部に使われている。だが、自動車などほかの分野への応用は道半ばだ。その理由は生産コストの高さにある。

 炭素繊維の価格は一般的に1キログラム当たり3000円とされる。CNFは常温で加工できるため、生産で使用するエネルギーを抑えることができるのが特徴で、1キロ当たり500円以下になる可能性がある。「量産できればもっと安くできる」(河崎室長)。航空機だけでなく、自動車など幅広い乗り物の部材に使用すればより軽くすることができるうえ、燃費が良くなったり、使用するエネルギーを削減したりする効果も見込める。
 例えば自動車のバンパーや外板などに使われるポリプロピレンやナイロン樹脂の成分はガラス繊維が主流。これをCNFに置き換えれば自動車1台あたり25%軽量化することが可能だという。

 それだけではない。透明かつ熱に強く、寸法の変化が小さいことからスマートフォン(スマホ)などに利用すれば、折り曲げた形の液晶画面を安く作ることができる。酸素も通しにくい性質を持つため、加工食品の包装材に使えば中身の食品が長持ちする。

セルロースナノファイバーは様々な用途が期待される

用途      使用例             特徴

補強材     航空機や自動車など     樹脂と混ぜ合わせることで強度を高め、軽量化

透明表示体 スマートフォン(スマホ)など 透明で熱による寸法の変化が小さい

包装材     加工食品のパックなど     酸素を通しにくいため中身の食品が長持ちする

増粘剤     化粧品や塗料、ドレッシングなど 静止しているときは粘り気が強く、かき混ぜると流動性が高まる

 約7年前。日本製紙は大学や他の企業と共同でCNFの研究に取りかかった。「最初は気楽な気持ちで始めたが、いよいよ会社は本気になってきた」。河崎室長は苦笑いする。
 日本製紙連合会によると、2013年の紙・板紙生産量は2624万トンで、2000年に比べて約2割縮小した。インターネットの普及や人口減に伴い、紙市場は長期的な低迷が続く可能性が高い。特に08年のリーマン・ショック後に企業が節約意識を強めたことも減少に拍車をかけた。危機感を強めた日本製紙は昨年「CNF事業推進室」を新設。岩国工場(山口県岩国市)に年産30トンの設備を建設し、16年度の製品化を目指す。

 日本製紙だけでなく、国内製紙最大手の王子ホールディングスは三菱化学と共同でCNFを使った透明なシートの製造に初めて成功。このシートと樹脂を混ぜ、折れ曲がる有機ELの表面ガラスの作成に取り組む。

■オールジャパンで主導権獲得へ


日本製紙CNF事業推進室の河崎雅行室長。「日本中にある木が原料なので、資源が枯渇することはなく、炭素繊維より製造コストを抑えられる」とCNFの優位性を説く

 海外でも欧米メーカーが大学の研究シーズを実用化する動きが活発で、試作品の製造プラントを次々と設け始めた。ただ、欧米メーカーの技術はファイバーを取り出す方法として木材繊維を機械ですりつぶすのが主流。ファイバーの幅が均一になりにくく「木材繊維の特性を生かしにくい」(河崎室長)。これに対し、日本メーカーはTEMPO触媒により均一幅のファイバーに分解することが可能。「技術をうまく使いこなすのは日本のお家芸。日本が主導権を握れるかもしれない」(河崎室長)と自信を示す。

 今年6月。日本では経済産業省や企業、大学など160機関が参加する協議会「ナノセルロースフォーラム」が発足。オールジャパン体制で研究・開発を進めることになった。政府が同月発表した「日本再興戦略改訂2014」では、CNFの利用促進に向けた取り組みを進める方針を表明。経産省は「30年に関連材料の市場規模を1兆円にしたい」とそろばんをはじく。

 日本の国土の7割は森林だ。木は原料として枯渇することがない。木材は温暖化ガスの排出量と吸収量が同じになる「カーボンニュートラル」の特性を持つため、地球環境にも優しい。東レが炭素繊維を軌道に乗せるまでに約50年かかったと言われている。しかし、今では世界に誇る主力産業の一つに育った。素材分野は目に見えにくいが、人々の生活や暮らしをより快適にする技術開発に終わりはない。

(電子整理部 鈴木洋介)


http://www.nikkei.com/article/DGXMZO80541870V01C14A2000000/?n_cid=DSTPCS003

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2015年8月20日 10:46:33 : c0YTg0T4Zw
例え雑木林や草ボウボウの空家でも、土地は宝の山でした。

2. 2015年8月20日 12:08:20 : nJF6kGWndY

>鉄の5倍の強度を持ちながら重さが鉄の5分の1程度

詐欺っぽい表現だな

正しくは、同じ重さなら、5倍程度の強度で
同じ強度なら、重さが1/5で済むということだから
同じサイズなら、鉄より弱いし、酸素条件で加熱すれば燃える

そして、別にナノ破砕しなくても、そもそも木材とは、そういうものだ

http://www.rish.kyoto-u.ac.jp/labm/wp-content/uploads/2012/09/1_pdfsam_KyotoJST090908.pdf
セルロースナノファイバーを用いた 軽量・高強度材料 - 京都大学 ... 
 本技術では密度1.3−1.5g/cm3(鋼鉄:7.8 g/cm3の. 1/5ー1/6の軽さ)で、鋼鉄相当の曲げ強度:300−400MPaのナノ複合. 材料

http://maruchi.org/kinosinjitu.html
鉄やコンクリートの方が、強いです。ただし同じ大きさで比べた場合の話。「同じ重さ」で比較すると、強いのは木。この事実は、耐震性に大きな意味をもたらします。
まずは強さの比較。同じ重さで比べると、たとえばスギ材の引っ張り強度は鉄の4倍。圧縮強度はコンクリートの6倍


3. 2018年5月02日 23:04:26 : ucVLYld5cU : ATg16eokKEM[2]
2 さんへ。
リンクの最初のものを、よーく読んで下さい。

4. 2018年5月03日 18:33:33 : ucVLYld5cU : ATg16eokKEM[4]
関連動画が有ります。

Mycelium bricks.
# http://youtu.be/IHhVpXCpTA0

Ford’s Hemp powered Hemp made Car
# http://youtu.be/54vD_cPCQM8


5. 2021年4月27日 21:33:47 : SwzSkL4CuM : MHlTbWJYZVB6Ry4=[23] 報告
東レ、製品の外観不良をAIで識別 熟練工の腕並みに
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC14DI10U1A410C2000000/

東レが繊維関連の生産拠点でデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める。工場の品質管理に人工知能(AI)を導入し、検査工程の効率化やラインの省人化に取り組む。背景には人口減少で熟練した技術を持つ人材の確保が難しくなっていることがある。2020年から一部工場で導入を始めており、今後、対象製品や導入工場を広げる考えだ。

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民99掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民99掲示板  
次へ