「いきなり!ステーキ」社長・一瀬邦夫(4) 倒産の危機のなか決意

 妻が生きていたころの話です。外出先から自分の店「ステーキくに」に戻ると、閉店後のカウンターで妻がまかないを食べていました。ステーキの端肉とご飯を鉄皿で焼き、ステーキソースで味付けしたものです。「おいしいよ」と勧められて口にすると、肉汁がご飯にしみ込んでおいしい。売れる、とピンときた。後に、低価格でステーキを提供するフランチャイズのレストラン「ペッパーランチ」の主力、「ビーフペッパーライス」となります。

〈平成6年、ペッパーランチ1号店が誕生する。高級料理の代名詞であるステーキを、ファストフードのように常識破りの価格で提供する試みだった〉

 ステーキの店を広げたい。といっても、コックはすぐに育てられない。ひらめいたアイデアが、コックがいなくてもステーキを食べられる仕組みです。蓄熱性の高い特殊な鉄皿に注目し、その鉄皿を電磁調理器を使って260度まで加熱して肉をのせて提供する。お客さま自身に好みの焼き加減に仕上げてもらう。調理といっても大した手間はかからず、お客さまは味だけでなく目や耳で食事を楽しむことができます。画期的なアイデアでしょう?

 

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